薄い眉毛以外、汗を堰き止める事は許し難く、今日は、
その一番の邪魔者に退場願うべく、床屋へと行きました。
「私はあなたの、頭の形を美しく整えた事が自慢なのよ」という
母親の言葉への、あてつけと、茶髪のおにいさんが、髪の薄い
中年男性の頭頂部、つまりはバーコードを注意深く整えている
様子を見てしまったため、「髪型はどうなさいますか?」と聞かれ
た時、「坊主で。」と言いました。
受け持ちとなった茶髪のおにいさんは、聞いた瞬間、顔が
引きつり、隣の店員さんも何故かニヤリとしました。
「本当に
いいんですね?」などと聞き返してくるあたり、罰ゲームか、
もしくは何かの懺悔だとでも思ったのでしょうか。
0,9cmのバリカンを選択しました。
不思議なものですね。 バリカンで一薙ぎ。
(あっ。) 固い決意を
持って望んだのに、バリカンで二薙ぎ。
(しまった。) 髪が払われ、
地肌が見えると。 (やめておけばよかった。)
などと思うのですから。
怖いほどに落ちてゆく髪の毛が、あまりにも心に衝撃を
与えたようで、罰ゲームでもなんでもないのに、本当に泣き
そうになりました。
友人の未来の坊主よりも、さらに坊主らしくなり、本屋で買い物の
途中、立ち読みをしていて少し邪魔な人に、この頭を向けるとすぐに
退いてくれて、なかなか便利です。 怖いですか。
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